盗撮で逮捕された時の流れは?勾留期間や後日逮捕の可能性

4月になって新たなスタートを切り出した方も多いのではないでしょうか。
慣れない満員電車はなかなか辛いものですよね
そんな通勤や通学の時間帯に多い傾向にある犯罪のひとつが盗撮です。

盗撮は、スマートフォンの普及により年々増えてきています。
スマートフォンはカメラのように構えなくても撮影が出来ますし、シャッター音が消せるアプリなんかもあったりしますよね。だからこそ、環境の変化によるストレスや、歓迎会でお酒を飲みすぎてついなどというほんの出来心で簡単に犯せてしまう犯罪なんです。

当所でも、盗撮をしてしまったとご相談される方は後を絶ちません。

 

盗撮はどんな罪になるのか?

盗撮は、明確に「盗撮罪」というものがあるわけではありません。
ではどのような罪に該当する可能性があるのでしょうか。

一番該当する可能性がある罪は、「迷惑防止条例違反」です。
駅や電車など公共の場で盗撮をした場合はこの罪に該当します。ちなみに迷惑防止条例違反は各都道府県によって刑罰が異なり、東京都の場合は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処されます。

次に該当する可能性がある罪は、「軽犯罪法違反」です。
公共の場所以外(お風呂、脱衣所、トイレなど)で盗撮をした場合はこの罪に該当します。この場合は、撮影行為ではなく、「のぞき行為」に対しての刑罰となり、拘留(1日以上30日未満の拘束)又は科料(1,000円以上10,000円未満の罰金)に処されます。

また、事件の状況や場所によっては、迷惑防止条例違反や軽犯罪法違反とあわせて、その他の罪に該当してしまう可能性もあります。

 

盗撮で逮捕された場合、どのような流れになるの?

こちらの図は、盗撮などの刑事事件で逮捕された場合の一般的な手続きの流れとなります。
ひとつひとつ詳しく見ていきましょう。

盗撮逮捕の流れ①:逮捕

逮捕には3種類あります。

一番多いのが現行犯逮捕
この中で、盗撮事件に一番多いのが現行犯逮捕です。
現行犯逮捕とは、事件発生時に逮捕されることです。“現場をおさえる” なんて聞いたことがありませんか?
犯行中や犯行直後ですと、逮捕状なしで逮捕することが出来ます。
また、現行犯逮捕は、犯罪が明らかであれば一般人でも逮捕をし、捜査機関に引き渡すことが出来るんです。
盗撮をされた女性が、犯人を追いかけてトイレまで追い込み捕まえた。なんてケースを聞いたことがありますが、これも立派な現行犯逮捕となります。

通常逮捕をされるケース
続いて通常逮捕についてです。
盗撮において、通常逮捕をされるケースは、現行犯逮捕に比べると少ないです。
駅のトイレなどに盗撮用のカメラを設置していた場合など犯行現場にいなかったケースや事件現場から逃走し、後日逮捕された場合などがあります。今は防犯カメラが設置されている場所が多い世の中ですので、たとえその場を過ごせたとしても、なかなか罪を逃れることは難しいものです。

盗撮での逮捕は、この現行犯逮捕と通常逮捕が大半です。
逮捕されると警察で取り調べがおこなわれ、警察官が48時間以内に釈放するか検察官に送致するかを決定します。

「微罪処分(びざいしょぶん)」となる可能性
状況によっては、厳重注意で前科が付かずに終わる「微罪処分(びざいしょぶん)」になる可能性もあります。


盗撮逮捕の流れ②:送致

検察官に送致されると、今度は検察で取り調べがおこなわれます。検察官は、24時間以内「起訴」をするか、「不起訴」にするか、「釈放」して在宅事件に切り替えるか、「裁判所へ勾留請求」をするかを決定します。ただ、逮捕されてまだ72時間以内となるので、このタイミングでの「起訴」は非常に稀です。

送致には、「捜査で集めた書類や証拠とともに、身柄ごと検察官に引き渡される送致(身柄送検)」と「身柄は釈放し、在宅事件扱いとして、捜査で集めた書類や証拠のみを検察官に引き渡す送致(書類送検)」の2種類があります。
「送検」という言葉の方が、テレビで使用されることが多いので、聞き覚えがあるかもしれません。

身柄ごと検察官に引き渡された場合は、24時間以内で決定が下されますが、在宅事件扱いとなる場合は時間が決まっていないため、検察から呼び出しを受けることで取り調べを行い、捜査の終了後決定が下されることとなります。


盗撮逮捕の流れ③:勾留

身柄ごと検察官に引き渡され、24時間以内に取り調べが終わらなかった場合や、取り調べをおこなったうえで、証拠隠滅や逃走の恐れがあるとみなされ、身柄の拘束が必要だと判断された場合は、「裁判所へ勾留請求」をされてしまう可能性があります。

勾留が認められてしまうと、なかなか家には帰れません。原則10日間、延長が認められるとさらに10日間…と、最長20日間を留置所で生活し、取り調べをうけることになります。
勾留期間中は、本人への取り調べ以外にも、関係者への取り調べ、実況見分、自宅や勤務先での証拠捜索や押収などの捜査がおこなわれます。
※ちなみに、押収されたスマートフォンやパソコンなどは、希望すれば事件終了後に戻ってくることが多いです。また、事件に関係のないデータまで削除されることはありません。


盗撮逮捕の流れ④:起訴

検察は、捜査の結果、本当に犯罪をしたか否か、反省の有無、犯行状況や示談状況の有無などの一切の事情を考慮し、起訴か不起訴かを判断します。不起訴になれば、この段階で身柄が解放され、前科もつきません。起訴された場合は、約1か月後から裁判が開始されます。

以前、「99.9-刑事専門弁護士」というドラマがありましたが、タイトルにもなっているとおり、日本の刑事裁判の有罪率は99.9%と言われています。起訴をされてしまうと、有罪は免れることが出来る可能性は非常に低いんです。

ちなみに、盗撮事件のような比較的軽度と思われるような事件の場合は、罰金刑が妥当であると判断される可能性があります。このような処分を、略式起訴と言います。略式起訴となる場合は、検察から略式起訴で良いか本人に確認があった上での処分となります。

書類上での簡易的な手続きとなることや、裁判所に出向かなくてもよい点、公判(テレビドラマで見るような裁判)がないので、外部に事件が漏れにくい点、罰金刑になるので、懲役にならない点などのメリットがありますが、争う機会がなくなる分、ほぼ確実に有罪になってしまうというデメリットもあります。

検察官が言っていることに間違いは一切ないと思わない限り、略式起訴に同意してはいけません。また、略式起訴では裁判所より罰金刑を言い渡されますが、有罪は有罪なので、当然前科はつきます

⇒前科についてはコチラ(『前科一犯の意味とは?周囲と将来への影響』)をご覧ください。


盗撮逮捕の流れ⑤:裁判

 

起訴をされてしまった場合、刑事裁判手続きとなります。起訴まで勾留をされていた場合は、さらに約1か月後の裁判まで勾留が続きます。(被告人勾留)
ちなみにこの時、保釈請求をして保釈が認められれば、保釈金を払った上で保釈となりますが、証拠隠蔽の可能性が高かったり、逃亡する恐れがあるなどと判断されてしまった場合は、保釈が認められないこともあります。

基本的には、罪を認めている場合、裁判は1日で結審(すべての審理が終了すること)し、約1週間前後で判決が言い渡されることが多いですが、認めなければもちろん裁判は長引きます。判決内容は事件内容や、示談の有無、様々な事情を考慮した上で判断されますので、罰金刑や執行猶予が付されることもあれば、実刑判決が下される場合もあります。

 

とこのような流れになります。
逮捕から裁判までずっと身柄を拘束されてしまうと、最悪1か月以上家に帰れなくなってしまい、ご家族に心配をかけてしまいますし、会社にも多大な迷惑をかけてしまいます。

 

弁護士に依頼した際のメリット

逮捕をされてしまうと、72時間以内の間は弁護士以外面会をすることができません。ご本人様もご家族の方も、どうするべきか的確な判断をするのはなかなか難しいと思いますし、これからのことを考えると不安でいっぱいだと思います。

こんな時に、唯一力になることができるのが弁護士です。

弁護士は、接見(面会)をして、ご本人様とお話させていただいた上で、取り調べに対してのアドバイスをしたり、ご本人様が連絡のとれない外部との連絡役などのサポートをします。また、有利な事情をできるだけ早期に集め、検察官と話すことで状況を把握し、仮に勾留請求をされてしまったとしても、異議申立ての手続きをし、一刻も早い釈放を目指して活動します。

さらに、弁護士に依頼をすることによって、被害者と示談交渉ができる可能性が非常に高くなります。被害者との示談が成立すれば、不起訴処分になる可能性は大幅に高くなりますし、仮に起訴をされてしまったとしても、判決にあたって大きな判断材料となってきますので、示談交渉ができるかどうかは非常に重要なポイントになると思います。

 

まとめ

ある日急に逮捕をされてしまったとなると、ご本人様もご家族様もパニックになってしまうことかと思います。冷静な判断ができない状況の中で間違った対応をしてしまう前に、出来るだけ早いタイミングで弁護士に相談をした方がよいでしょう。