ネットで知り合った素敵な女性が、執念深いストーカーに豹変したら?

ネットでの男女の出会いは、いつも危険と隣り合わせ。

かつて男女の出会いの場といえば、お見合いや合コン、結婚相談所が主流でしたが、今やインターネットでの婚活も当たり前。出会い系サイトに婚活サイト、マッチングアプリと、男女の出会いや交流の場はインターネットにあふれ、知り合った相手と恋人になったり(不倫したり)、結婚に至る人も少なくありません。

 

その一方で、加速度的に増えているのがネット上での男女のトラブル。例えば、出会い系サイトで知り合った相手から高額な商品を売りつけられたり、婚活サイトで運命の人と信じた相手から結婚詐欺にあったり…。

なかでも最近特に目立つのは、ラインやフェイスブック、ツイッターなどのSNSのやり取りを巡るトラブルです。

 

SNSは誰でも気軽に利用できるコミュニケーションツールですが、顔も名前も素性もよくわからない相手とやりとりする場合は、ある程度の注意が必要です。どんなに親しくなったとこちらが思っていても、感じ方には個人差がある上に、実際の表情が見えないため相手との距離のとり方も容易ではありません。

「そんなつもりはなかったのに…」と思っていても、ちょっとしたHな会話がセクハラとして受け取られたり、不用意な言動が相手の誤解を招き、ストーカー問題に発展してしまうことだってあるのです。

 

相手が見えないからこそ気楽で便利、でも、こじれてしまうと訴訟や事件にまで至ってしまうSNS。今回は、トラブルの中でも特に犯罪性の高い「ストーカー」について、ご説明しましょう。

 

最初は穏やかだった相手が、恐怖のストーカーに変身!?

出会い系サイトなどで知り合った場合、相手を知るには公開されているプロフィールやSNSなどが情報源です。実際に会えば相手の表情や様子を見て判断できますが、インターネットでは公開されている情報で相手を想像するしかありません。

SNSで何度か会話しただけなのに、想像から妄想が膨らみ、相手に恋愛感情を抱いてしまう。いつしか「自分のことが好きなんだ」と一方的に思い込み、拒絶されても、SNSやメールなどを利用して、しつこく付きまとうようになる…。

これがネットストーカーです。

 

2000年に施行された「ストーカー規制法(ストーカー行為等の規制等に関する法律)」では、「①つきまとい等」と「②ストーカー行為」の2つを規制の対象としています。

 

まず、「①つきまとい等」とは特定の者に対する恋愛感情、その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、次のいずれかに掲げるような行為です。

 

  1. つきまとい・待ち伏せ・押しかけ・うろつき等
  2. 監視していると告げる行為
  3. 面会や交際の要求
  4. 乱暴な言動
  5. 無言電話、拒否後の連続した電話・ファクシミリ・電子メール・SNS等
  6. 汚物等の送付
  7. 名誉を傷つける
  8. 性的羞恥心の侵害

 

このような「つきまとい等」を同一の人に対して繰り返し行うことを、「②ストーカー行為」と規定しています。

 

2016年以降は規制法が改正され、無言電話や携帯電話、会社、自宅への電話のほか、メールやSNSなどを利用した迷惑行為も規制の対象になりました。ラインやフェイスブック、ツイッターなどへの執拗なメッセージ送信や、SNSのダイレクトメッセージなど個人ページへのコメントなども規制対象に含まれます。

 

まさに今、こうした迷惑行為を受けていると思い当たる方は、消したりせずにしっかり保存しておくようにしましょう。のちのち、大事な証拠になるはずですから。

 

ストーカー被害にあったら、警察に相談するのが近道!

一方的に好意を抱き、つきまといなどの迷惑行為を繰り返す相手に、自分でなんとかしようと思っても、できることは限られています。逆恨みされて、命の危険にさらされる可能性だって、ゼロではありません。

 

もし、ストーカー被害にあった場合は、最寄りの警察署に相談することが一番安全で確実です。被害届を出せば、加害者に対して「ストーカー行為を行ってはならない」と警告が発せられ、これを無視してストーカー行為を繰り返せば、逮捕されることになります。また、警告とは別に、都道府県公安委員会から禁止命令が発せられることもあります。

 

このようにストーカー行為には厳しい罰が科せられますが、ストーカー加害者にとって自分の行為は正義であり、受け入れてくれない相手が悪いと思い込んでいるもの。なかなか正直に言えないトラブルだとしても、恋人や家族など周囲にも危害が及ぶ可能性もありますから、早めにストーカー被害にあっていることを打ち明け、警戒を促すようにしましょう。

 

いずれにしろ、現代社会で生きる我々にとって、インターネットはなくてはならない通信手段。ストーカー被害に合わないためにも、SNSなどで出会う素性の知れない人に、簡単に気持ちを許してもいけませんし、個人を特定できるような情報を教えないのが原則です。

便利に使えるツールだからこそ、適切に情報を管理して、楽しい関係を築けるように心がけたいものですね。

 

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