いつか、あなたも巻き込まれるかも…痴漢トラブルの対処法とは?

身に覚えがないのに、痴漢を疑われたら?

「この人、痴漢です!」。もし朝の満員電車で、女性にこう言われたらどうしますか?周囲の視線が一気に集まり、頭は真っ白、受け答えもしどろもどろ…と、気が動転しまうのは当然です。でも、相手の女性も必死。さあ、絶体絶命のピンチを、あなたならどう乗り切りますか?
やった覚えは全くないのに、痴漢の罪を着せられる「痴漢冤罪」。新聞やテレビのニュースなどで、目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。自分の身に降りかかってこない限り、現実的に考えられないかもしれませんが、男性であれば誰でも痴漢トラブルに巻き込まれる可能性は十分あります。では、そんな時にどうすれば良いのか。まずは、疑われた時の流れをご説明しましょう。
痴漢の嫌疑をかけられ、次の駅で駅員に引き渡された場合は、警察官が呼ばれ警察署への任意同行が求められます。そして、逮捕・拘留という形で身柄を拘束され、取り調べを受けた後、検察官に起訴され、最終的には裁判所で有罪か無罪かの判決を受けるのが一般的な流れです。
科せられる刑罰は、行為の中身によっても異なりますが、裁判で有罪判決を受けた場合は、最悪、刑務所に入れられてしまう危険もあります。疑いをかけられた現場で、どのように行動するかで、リスクを最小限に抑えることができますので、対応の仕方を心に留めておくことをお勧めします。

あくまでも冷静に、一貫して否認することが大事

痴漢を疑われたら「警察署に連れて行かれる前に逃げなさい」とアドバイスをする人がいますが、これは間違いです。今の時代は、至る所に防犯カメラが設置されていますから、すぐに身元や自宅等を突き止められてしまいますし、そもそも「やましいことがなければ逃亡する必要はない」はずです。
まずは、心を落ち着かせて冷静になり、「絶対に触っていません」と一貫して犯行を否認しましょう。声を荒げて暴れたりすると、騒ぎが大きくなり、一つもいいことはありません。その際、「右手はつり革を握り、左手はカバンを持っていたので、触るのは不可能」と具体的な事実をあげて証明できれば、なお良いでしょう。
また、臨場した警察官に対しては、「微物検査等」を要求してください。これは、被害者の衣服の繊維が手に付着していないかを調べる鑑定方法。繊維が検出されなければ、被害者の供述の信用性を争う有力な証拠となります。
さらに、その場で可能な限り証人を確保しておくことも大切です。自分の素性を明らかにし、「後で証言をお願いすることになるかもしれませんので」と、名刺交換をしておけば、後々有利な証言を得られる可能性があります。他にもその場での会話ややり取りを携帯電話などに録音するなど、あなたが一貫して犯行を否認していたことを証明できるよう対処しましょう。
実際には気が動転して、心の余裕もないとは思いますが、どんな場合であっても、できるだけ冷静に対応することを心がけてください。

早急に弁護士を呼んでサポートしてもらおう

痴漢行為を否定すると同時に早急にやるべきことは、あなたをサポートしてくれる弁護士を探すことです。「弁護士を頼むのは裁判になってからでいい」と思っている人も多いかもしれませんが、捜索・差し押さえ・取り調べなどの捜査活動に、法律の専門家でないあなたが自力で対応することは困難です。もし知り合いの弁護士がいなければ、地域の弁護士会に連絡して相談すれば、何らかのアドバイスがもらえるでしょう。何はともあれ、弁護士を呼んで味方についてもらうことが先決です。
例えば、逮捕・勾留されていない段階で、任意の取り調べを受ける場合には、弁護士を同伴することが可能です。取調室の中には入れませんが扉の外で待機してもらうことができるので、取り調べ中に、どのような対応を取るべきか悩んだ時は、「ちょっと相談して来ます」と席を外して、その場で弁護士にアドバイスを求めることができます。早い段階から弁護士のサポートを受けることで、不利益な証拠を相手に与えてしまうリスクが軽減でき、その結果、無罪判決を得る可能性が高まります。
痴漢行為を疑われたら、事実を冷静に否認し、携帯電話などで録音を開始しつつ、周囲にいた人たちに無罪を立証してもらえるよう連絡先を多く聞いておく。次の駅で電車を降ろされたら、駅のホームで早めに弁護士を呼び、警察官が来たら微物検査等を行ってもらう。こうしたことを実際に行うのは難しいかもしれませんが、一番いいのは弁護士に来てもらって、対応してもらうこと。いざという時に連絡が取れる弁護士を、あらかじめ知っておくと安心です。