ネガティブなサジェストを削除するには?

 

近年、中小企業は顧客とのつながりを意識する上で、オンラインプレゼンスが重要視されるようになってきました。その中で、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで表示されるネガティブなサジェスト、通称「サジェスト汚染」が企業の評判やビジネスに悪影響を与えることが問題となっています。本記事では、ネガティブなサジェストの原因と解決策を紹介します。

1. サジェスト汚染とは?

 「サジェスト汚染」とは、検索エンジンのサジェスト機能において、ネガティブなキーワードやデマ、誹謗中傷に関連する言葉が表示される現象を指します。これにより、企業や個人の評判やブランドイメージが損なわれる恐れがあります。

 

サジェスト汚染の例としては検索候補に以下のようなネガティブなキーワードが表示された場合です。

「(社名) パワハラ」

「(社名) ブラック企業」

「(サービス) 詐欺」

「(商品名) 不良品」

「(店名) マズイ」

 

 

2. ネガティブなサジェストの原因

 ネガティブなサジェストが表示される原因は主に以下の3つです。

2-1 検索キーワードと関連するネガティブな情報の存在

サジェストにネガティブなワードが表示される一つ目の原因は、検索キーワードに関連する不利な情報がウェブ上に存在することです。不祥事や評価の低い製品に関する情報が多くある場合、これらの情報が検索エンジンに取り込まれ、サジェストとして現れる可能性があります。

2-2 ユーザーによる検索クエリの繰り返し

二つ目の原因は、多くのユーザーが同様の検索クエリを繰り返すことです。検索エンジンは、これらのクエリを一般的な関心事と認識し、サジェストとして表示することがあります。

2-3 検索エンジンのアルゴリズムによる自動生成

三つ目の原因は、検索エンジンのアルゴリズムによる自動生成です。検索エンジンは、ユーザーの検索履歴や関連性の高い情報をもとに、サジェストを自動生成します。この過程で、関連性があるが不利なキーワードが表示されることがあります。

 

これらのサジェスト汚染は1日で生成されるわけではなく、ある程度時間をかけて広がっていきます。そのため、解消にも時間がかかりますが以下の対策が考えられます。

 

 

3. 対策(その1)「Google検索エンジンへの削除依頼」

Googleでは、検索エンジンでの個人や企業名がサジェスト汚染された場合に、その情報を取り除くための手続きが提供されています。手続きの詳細は以下のとおりです。

①はじめに、Googleサジェストの削除要求ページ

https://support.google.com/legal/contact/lr_legalother?product=websearch

にアクセスしてください。

②必要な事項を入力します。
  1. 要求者の会社名や名前
  2. 連絡先のメールアドレス
  3. 問題のあるサジェストのキーワード
  4. 検索候補が違法となる理由
  5. 関連するURL(問題のあるサジェストが表示されたスクリーンショットを添付することをお勧めします)

 

削除の理由としては、風紀に反するもの、プライバシーの侵害、名誉棄損、著作権の侵害など、具体的かつ適切な根拠が必要です。また、侵害された権利や利益を明確にすることが重要です。

③内容を確認し、送信ボタンを押して送信します。
④Googleからの回答を待ちます。審査結果により、要求が受け入れられると、該当するサジェストが取り除かれます。ただし、審査には数日から数週間かかることがあります。

 

自社での対応が難しい場合はサジェスト削除の専門業者に依頼して解決を図ることもできます。

ただし、削除を求める際は、プライバシー侵害や名誉毀損など、法的根拠を明確にする必要があるため、後述する弁護士への相談が最適です。

Googleの対応が不十分であると感じた場合や、要求が却下された場合は、専門家の助けを検討してください。弁護士や法律事務所は、適切な書類作成や証拠提出をサポートし、削除要求の成功率を高めることができます。

 

 

4. 対策(その2)「ピュテーションマネジメントによる評判の向上」

さらに、削除要求が承認されても、Googleはすべてのサジェストを完全に取り除くことができない場合があります。そのため、オンライン評判管理(ORM)や検索エンジン最適化(SEO)など、自分の情報を適切に管理する方法を検討することが重要です。

オンライン評判管理(ORM)は、ウェブ上の情報を監視し、肯定的な情報を促進し、否定的な情報を最小限に抑えるアプローチです。ORMの実施により、検索結果に表示される情報をより適切なものにすることが可能です。

検索エンジン最適化(SEO)は、検索エンジン上でのウェブサイトやコンテンツの表示順位を向上させるためのアプローチです。SEOを適切に実施することで、関連性の高い情報が検索結果の上位に表示され、否定的な情報が目立たなくなる効果が期待できます。

 

具体的な手法としては、以下のようなアプローチが挙げられます。

・ウェブサイトやブログを立ち上げ、肯定的な情報を発信する。

・ソーシャルメディアでの積極的な活動や交流を通じて、信頼性を向上させる。

・インターネット上の評判に適切な対応を行い、信頼性を損なわないよう注意する。

 

これらの方法を組み合わせることで、サジェスト汚染を最小限に抑えつつ、オンライン上の評判を適切に管理することができます。

 

 

5. 対策(その3)「弁護士に相談する」

法的な対応を求める場合は、弁護士に相談することで解決できることがあります。

(1) 法的視点に基づくカウンセリング

弁護士は、企業がネガティブサジェスト問題に対処する際、権利侵害や名誉棄損などの法的概念に基づいたアドバイスを行います。その他、プライバシー権や営業妨害に関する法律に沿った指導も提供し、企業が問題を適切に解決するための法的根拠を明確にします。

(2) 検索エンジンに対する削除依頼の補助

弁護士は、検索エンジンに対する削除依頼の手続きにおいてサポートを行います。削除依頼に必要な書類や証拠の整理、法的要件の満たし方をアドバイスし、企業側が適切な方法で削除依頼を行えるよう支援します。

(3) ネガティブ情報提供者との交渉手続き

弁護士は、ネガティブ情報の提供者が特定できる場合、その提供者との交渉を担当します。情報の削除や訂正を求める際、適切な法的根拠を示すことで、企業側が直接交渉するよりも効果的な結果が得られる可能性があります。また、弁護士が交渉を行うことで、企業自身が関与しないため、関係の悪化を避けることができます。

(4) 訴訟プロセスへの支援

場合によっては、ネガティブ情報の提供者に対して法的措置が必要になることがあります。弁護士は、訴訟プロセスにおいて書類の作成や法廷での代理人活動を行い、企業の権利を最大限に守るために努力します。また、訴訟戦略や証拠の提示方法に関するアドバイスを提供し、企業が最善の結果を得られるようサポートします。

 

また弁護士に相談することで以下のようなメリットがあります。

・法的専門知識に基づく最善策の提示

・早期の問題解決

・法的な危険性の軽減

・企業の負荷低減

 

最後に、サジェスト汚染やオンライン評判管理に関する課題は、個人や企業にとって非常に重要な問題であり、適切かつ早急の対応が求められます。そのため、専門家や法律事務所と連携し、継続的なサポートを受けることが望ましいです。

これらの対策により、検索エンジンでの情報管理や評判の向上が効率かつ効果的に実現されるでしょう。

 

 

稲葉セントラル法律事務所では中小企業向けを中心に顧問契約を行なっています。

くわしくはこちら

 

顧問弁護士は、会社の法的悩みごとや不安ごとに継続的に対応し、会社を常にサポートする弁護士です。

会社の経営者の方や総務や法務を担当している従業員の方から、電話やメール1本ですぐに会社や担当者が抱えている悩み事に対応するのが顧問弁護士です。

 

会社の評判を落としかねないサジェスト汚染などの問題に対して、安定した経営が行えるよう経営者に寄り添いながら継続的にサポートを行うことが顧問弁護士の使命であり、私たち稲葉セントラル法律事務所が提供するサービスとなります。

 

顧問弁護士の見積もり依頼は無料でできますので、まずはお気軽にご相談ください。

関連するページ

SERVICE取り扱い業務

NEWS新着情報

PAGE TOP