戸籍上では独身のままなのに浮気したら慰謝料を請求された!?

恋愛関係と内縁関係の違いって、何だろう?

普通に恋愛して、結婚を前提に同居するようになって、気がついたらもう10年…。という同棲カップルも、世の中には結構いるものです。周りから見れば、長年一緒に暮らしている二人は夫婦同然。事情を知らない近所の人に、「奥さん」「旦那さん」と呼ばれることもしばしばで、面倒くさくなって「僕の妻です」と紹介している男性もいるのではないでしょうか。
こうした同棲カップルは、一般的には「内縁の妻」「内縁の夫」と呼ばれます。法律的には夫婦ではありませんから、浮気をしようが、別れようが、何の問題もないように思えますよね。ところが、先にあげた10年同棲しているカップルのように、事実婚の状態が認められる「内縁関係」の場合は、婚姻に準じた法的保護が与えられます。
では、内縁関係の定義とはなんでしょうか。①結婚の意志があること、②社会的に夫婦とみなされること、③夫婦共同生活が存続していることなどがあげられますが、基本的にはケースバイケース。同居の期間の長短や周囲の人々の認識など、様々な事情から判断されることになります。
「お妾さん」という言葉があった昭和の時代は、本妻以外に愛人を囲い、夫婦同然の暮らしをしていた男性もいたのだとか。このような場合も、その愛人との内縁関係が成立し、重婚に似たような状態になることから「重婚的内縁関係」などと呼ばれます。

内縁関係でも財産分与があるってほんと?

もし、内縁関係にある男女のどちらかが浮気をして、慰謝料を求める訴えを出したらどうなると思いますか?「結婚しているわけじゃないんだから、浮気をしても慰謝料なんて払う必要はない」と思っている人がほとんどではないでしょうか。
答えは、NO!正式に結婚していなくても、婚姻関係を結んでいる夫婦と同じように、内縁相手に対して慰謝料を請求することができるんです。さらに、内縁相手の浮気相手が内縁関係をわかっていた場合には、その浮気相手に対しても慰謝料を請求することができます。
仮に浮気が原因で二人の仲がこじれ、別れることになった時も離婚の場合と同じ。内縁関係を解消する際には、相手に対して財産分与を求めることが可能です。このように、内縁関係にある男女は、婚姻関係にある夫婦に準じた法的保護が受けられますが、全く同じというわけではありません。
例えば、内縁関係にあるどちらかが亡くなった場合に、相手の財産を相続することはできません。また、遺族年金や死亡退職金の支給が、内縁の妻あるいは夫に認められるかどうかも、はっきりしていません。いずれも受給可能とは考えられていますが、確実に保障できるとは言いかねるのが現状です。

子どもが生まれても親権を持てるのは母親だけ

夫婦同然の暮らしをしていれば、やがて浮上してくるのが子どもの問題です。あえて結婚せずに、内縁関係のまま子どもを育てているカップルもいると思いますが、子どもの戸籍はどうなっているのでしょう?
内縁関係にある男女の間に子どもが生まれると、結婚している夫婦の子どもとは違う扱いを受けます。婚姻関係を結んでいるなら、父親も母親も共に親権者となりますが、内縁関係の場合は、どちらか一方にしか親権がありません。「母親が産んだ」という事実しか明らかにならないので、子どもは母親の戸籍に入り、母親の姓を名乗ります。
ここで、重要になるのが父親の「認知」。生物的には父子であっても、認知しなければ戸籍上では「父親がいない子ども」になってしまいます。仮に内縁関係を解消することになった場合でも、認知をして父子関係を成立させておけば、離婚時と同じように父親には子どもと面会する権利が認められます。
「結婚していないから気楽でいい」というのは、大きな間違い。婚姻関係と同様にみなされる内縁関係では、法律的な保護を受けられる反面、それなりに責任も問われるものです。まして、子どもができた際には、お互いのことだけでなく、子どもの将来のこともじっくり考えて、ベストな選択をしたいもの。今一緒にいるパートナーと、あなたはこれからどんな関係を築いていきたいですか?