果たして、その子は俺の子どもなのか…。認知を求められたら、あなたはどうする?

別れた後に「子どもができた」と告げられたら…

「あなたの子どもができたの。ちゃんと責任とってね」。ある日いきなり告げられた、元カノや不倫相手からの衝撃的な告白…。ドラマや小説の中ではよくある話ですが、現実に自分の身に降りかかってきたらあなたはどうしますか。

これが幸せな恋人カップルなら「デキ婚しちゃいました」とゴールインすれば良いことですが、恋人とすでに別れてしまったり、不倫相手であったりすると、かなり厄介です。中にはひと言の相談もなく出産し、認知を求められるケースもあるかもしれません。「本当に自分の子どもなのか…」と疑いつつも、身に覚えのある話なので「関係ない」と逃げることもできない。では、どうすれば良いのでしょうか。

まず、認知について基本的な知識を押さえておきましょう。認知は、役所に所定の認知届けを提出して行います。これは、生まれる胎児の段階でも「胎児認知」として届け出ることが可能です。認知をすれば、その対象となった子どもとは親子関係となり、養育費を支払う義務が生じ、認知された子どもには相続権が発生します。
元カノや不倫相手との間に生まれた子どもは、結婚しているわけではないので「非嫡出子(ひちゃくしゅつし)」と言い、結婚している夫婦の間に生まれた子どもは「嫡出子(ちゃくしゅつし)」と言います。かつては、非嫡出子は相続面で不利益な扱いを受けていましたが、現在は嫡出子も非嫡出子も権利は同等です。

いずれにしても、認知は一人の子どものかけがえのない人生を左右する重大なこと。事情はどうあれ、重い責任を伴う問題ですから、しっかりと向き合わなくてはなりません。

自分の子かどうか、DNA鑑定を行うことが最善の策!

元カノや不倫相手に認知を求められた時、とっさに頭をよぎるのが「本当に自分の子どもなのか…」という疑念。長い間付き合っていた相手であったとしても、知らないところで別の男性と浮気をしている可能性もゼロではありません。とは言っても、下手に相手の感情を刺激するのは要注意。「責任を取って!」と会社や家庭に乗り込まれたら、あなた自身の社会的立場が失われる場合もあるからです。

しかし、です。先ほども述べたように、認知は非常に重い法律上の義務や責任を負うもの。女性から強く求められたとしても安易に認知せず、まずはDNA鑑定を行ってしっかりと確認することが大切です。その結果、「間違いなく自分の子どもである」ことがわかったら、潔く認知をするしかありません。仮に拒んだとしても、女性の側は認知を求める訴えを起こすことができるため、最終的には裁判によって認知せざるを得ない状況になるのです。

当然、認知をすれば戸籍にその事実が記録されることになりますから、家庭のある男性であれば、「絶対にそのことを隠し通したい」という人もいるでしょう。その場合は、相手をなんとか説得するしか手はありません。例えば、認知はしないが養育費はきちんと支払う取り決めをするとか、相応の財産が子どもに渡るようするなど、誠意を持って相手が安心できる約束を提示することです。

ただし、こうした約束は子どもの福祉に反するため、法的な拘束力はありません。また、母親が約束を守って認知を求めないとしても、子どもが成長してから自らの意思で認知を求めてくることもあります。どうあがいても責任逃れはできないのですから、最初からDNA鑑定を行うことがベストな選択です。

認知が間違いだったと発覚!養育費はどうなるの?

認知を求められた時にDNA鑑定ができれば良いのですが、言葉で言うほど簡単なことではありません。求められるままに一旦は認知をしたものの、どうしても疑念を捨てられず、後になってDNA鑑定を行ったというケースも多々あります。その結果、自分の子どもでないことが明らかになったら、どうすれば良いのでしょうか。

このような場合は、裁判所に「親子関係不存在確認の訴え」を提起することが必要になります。認知した子どもとの間に親子関係が存在しないことが認められれば認知の効果は失われます。これまで女性に支払ってきた養育費についても返還を請求することができますし、子どもの本当の父親がわかれば、その父親に対して養育費の返還を求めることが可能です。(ただし、その父親と子どもとの親子関係を確認する訴訟を起こすことが必要になります)

また、自分の子どもとわかっていながら認知を拒んだ人でも、歳を重ねるにつれ、気持ちに変化が生じる場合があります。特に死を意識する年齢になってくると、悔いを残さないようにこの世を去りたいと思うのが人の常。「やはり、あの子を認知してあげよう」という思いが生まれることもあるかもしれません。その場合は、認知届を作成すれば良いのですが、自分の死後に明らかにしたいのであれば「遺言認知」を活用することができます。効果そのものは通常の認知と変わりないので、認知した子どもに正当な相続権を与えることができます。

しかし、通常の場合でも揉めることの多い相続問題ですから、あなたが残した遺言認知はとても大きな火種になることでしょう。立つ鳥水を濁さずと言いますが、遺言認知によって家族が争わないように、生前にできるだけのことをするのがあなたの務め。それができないと、誰もあなたのご位牌に手を合わせてくれないかもしれませんよ。