過失運転致死事件で、被告人の真摯な反省を裁判所に伝え、執行猶予判決を得た事例

相談内容

本件は、依頼者が自動車を運転中、前方不注意により横断歩道を横断していた歩行者と接触し、被害者の方が亡くなられたという痛ましい交通事故でした。

依頼者は事件後に逮捕されましたが、勾留請求はされず、事件は在宅事件として進行しました。
依頼者は事故直後から、自らの過失により尊い命が失われたことに深い衝撃と後悔を抱いており、「どのような形でも、ご遺族に謝罪の気持ちを伝えたい」と弊所に相談に来られました。

ご相談後(ご依頼後の対応)

依頼者は、事故現場の実況見分に際して、被害者のために花を購入し手向けており、また弁護人を通じて謝罪の手紙をご遺族に届けていただきたいと申し向けておりました。

依頼者が事故を後悔し、真摯に反省していると感じた担当弁護士は「依頼者がご遺族に対して誠実に謝罪することの支援」及び「依頼者が本件をどれほど真摯に受け止め、深く反省しているかを裁判所に正確に伝えること」が、本件における弁護人としての責務であると考えました。

その後、弁護士立会いのもと、依頼者が被害者遺族に直接謝罪する場を設けることができ、少しでも被害回復ができるようにと行動しました。
公判では、依頼者の行動・謝罪の経過を裏付ける資料を提出し、また保険金による被害弁償が一部行われていることを、被告人質問の機会を有効に活用して、丁寧に主張しました。

解決結果

裁判所は、依頼者に対して執行猶予付き判決を言い渡しました。
依頼者は刑務所に収監されることなく、今後の人生を真摯に生き直す機会を得ることとなりました。

担当弁護士からのコメント

過失運転致死事件のように、被害者の方の尊い命が失われる事案では、どのような判決であっても「完全な解決」というものは存在しません。

それでも、被告人が事故の重大性を理解し、心からの反省と謝罪を具体的な行動として示すことが、刑事弁護において極めて重要な意味を持ちます。

弁護士の役割は、単に刑を軽くすることではなく、依頼者の真摯な思いを裁判所に正確に届けることでもあります。
本件は、そういった弁護活動を行い、結果として執行猶予という形で再出発の機会を得られた事案でした。

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