面識のない相手との事件を不起訴処分とし、解決した事例

ご相談の経緯

「夫が今日、警察に逮捕されました。」
そう事務所に駆け込まれたのは、依頼者の奥様と息子様でした。逮捕時の容疑は「強盗致傷」と聞かされていましたが、具体的な事情は分からず、「私たちはいったいどうすればよいのか」と不安なご様子でした。

弁護士は、まず事実関係を正確に把握するため、奥様の依頼に基づき、その日のうちに警察署へ接見に向かいました。

事件の概要

依頼者によると、見知らぬ相手と口論になった際、自分の写真を撮られたため、削除を求めてスマートフォンを奪い取ってしまったとのことでした。その際、被害者が取り返そうとして揉み合いとなり、結果的に怪我を負わせてしまったというものでした。

依頼者は深く反省しており、「被害者の方に謝罪したい」「仕事と家族があるので前科をつけたくない」という強い希望を持っていました。

弁護人の対応

刑事事件では、被疑者本人が直接被害者に連絡を取ることは極めて難しく、面識のない相手であればなおさらです。
そこで弁護士は、検察官を通じて「被害者に謝罪と被害弁償をしたい」との意向を伝え、連絡の橋渡しを依頼しました。

その後、幸いにも被害者様から弁護士宛にご連絡をいただくことができ、弁護士が依頼者に代わって謝罪を行い、被害弁償の支払いと今後の接触禁止を内容とする示談を成立させました。

結果とまとめ

示談成立後、検察官は被害者の処罰感情や弁償状況などを総合的に考慮し、本件を不起訴処分とし、社会生活を継続しながら事件の解決を迎えることができました。

刑事弁護においては、法律上の主張だけでなく、「被害者の方に対する誠実な対応」や「依頼人の反省の気持ちを確実に伝えること」も非常に重要です。
弁護士はその橋渡し役として、依頼者の真摯な思いを適切に届けることに努めています。

また、本件のように被害者のご親族が相談にいらっしゃった際には、接見だけご親族から依頼を受け、刑事弁護の依頼は被疑者ご本人から受けます。ご親族には、依頼者ご本人が伝えないでほしいと希望したことは、ご親族であっても伝えられませんと説明させていただく場合がございます。

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