飲酒運転の罰金相場と罰則の違い・軽減方法・免許処分について解説

飲酒運転は「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」に分類され、それぞれ罰金・免許処分が異なります。「どのくらいの罰金がかかるのか」「免許はどうなるのか」という疑問を持つ方も多いでしょう。この記事では、飲酒運転の罰金相場・酒気帯びと酒酔いの罰則の違い・罰金を軽減する方法・免許処分について解説します。

酒気帯び運転・飲酒運転の罰金相場

飲酒運転(酒気帯び運転・酒酔い運転)は刑事犯罪であり反則金制度の対象外です。軽微な交通違反で支払う反則金とは異なり、飲酒運転は逮捕・起訴・罰金または懲役の対象となります。

酒気帯び運転(道路交通法117条の2の2)の法定刑は「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」です。初犯・事故なし・反省の態度が明確なケースでは略式起訴による罰金刑で終わることが多く、実際に科される罰金額は30〜50万円程度が相場です。

酒酔い運転(道路交通法117条の2)の法定刑は「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」です。酒気帯び運転より法定刑が重く罰金刑の上限は100万円となり、初犯・事故なしでも50〜100万円程度の罰金が科されることがあります。

いずれの場合も事故を起こした場合・常習的な飲酒運転・前科がある場合などは懲役刑になる可能性があります。罰金刑であっても確定した有罪判決として前科がつく点に注意が必要です。

酒気帯びと酒酔いで異なる3つの罰則

酒気帯び運転と酒酔い運転では刑事罰・行政処分・周囲への影響がそれぞれ異なります。また飲酒運転した本人だけでなく、同乗者・車両提供者・アルコールを提供した者にも罰則が定められています。「酒気帯びなら軽い」という認識は誤りであり正確な罰則を理解しておくことが重要です。3つの違いを詳しく解説します。

  • 刑事罰(懲役・罰金)の違い
  • 行政処分(免許停止・取消・違反点数)の違い
  • 同乗者・車両提供者への罰則

刑事罰(懲役・罰金)の違い

酒気帯び運転と酒酔い運転では法定刑が大きく異なります。酒気帯び運転の法定刑は「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」であるのに対し、酒酔い運転の法定刑は「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」と大幅に重くなっています。

酒気帯び運転と酒酔い運転の区別は呼気中のアルコール濃度や体にアルコールの影響が出ているかどうかによって判断されます。酒気帯び運転は「呼気1リットル中0.15mg以上のアルコールが検出された場合」に該当します。酒酔い運転はアルコールの影響によって正常な運転ができない状態を指し、濃度の基準値に関わらず認定されることがあります。

いずれの犯罪も反則金制度の対象外であり起訴されれば刑事裁判の対象となります。初犯・事故なしであっても確定した有罪判決として前科がつきます。前科がつくと就職・資格取得・海外渡航などに長期的な影響が生じるため、飲酒運転を絶対に行わないことが唯一の対策です。

行政処分(免許停止・取消・違反点数)の違い

飲酒運転は刑事罰に加えて行政処分(免許停止・免許取消)が科されます。行政処分は刑事処分とは別の手続きで行われるため、刑事で不起訴になっても行政処分が行われることがあります。

酒気帯び運転の違反点数は呼気中のアルコール濃度によって異なります。基準値以上0.25mg未満の場合は13点(免許停止90日間)、0.25mg以上の場合は25点(免許取消・欠格期間2年)が科されます。一方、酒酔い運転の違反点数は35点であり免許取消・欠格期間3年が科されます。

免許取消処分を受けた場合、欠格期間(2〜3年)が経過した後に免許の再取得が可能ですが再取得のための試験・手続きが必要です。また事故を起こした場合はさらに点数が加算され欠格期間が延長されることがあります。行政処分は刑事処分と並行して進むため処分の軽重を考える際は刑事・行政の両面を把握しておく必要があります。免許を失うことへの影響は生活・仕事に直結します。

同乗者・車両提供者への罰則

飲酒運転に関する罰則は、実際に運転した本人だけでなくその周囲にいた人物にも及びます。「お酒を飲んだ人の車に乗っただけ」という場合でも刑事罰の対象となることがあります。

飲酒した者に車を提供した人(車両提供者)は「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」という、実際に運転した酒気帯び運転者と同等またはそれ以上の重い罰則が科されます。飲酒した者にアルコールを提供した人(飲酒提供者)は「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」が科されます。

飲酒した運転者の車に同乗した人(同乗者)は「2年以下の懲役または30万円以下の罰金」が科されます。「運転しているのはあの人だから自分は関係ない」という認識は誤りであり、飲酒した人が運転することを知りながら同乗することも犯罪として扱われます。飲酒運転に関わる可能性がある場合は運転を止めること・代替交通手段を手配することが重要です。

飲酒運転の罰金を軽減する方法

飲酒運転は刑事犯罪であるため罰金を完全にゼロにすることは基本的には難しいですが、弁護士に依頼することで処分を軽減できる可能性があります。

最も効果的な方法は弁護士に依頼して不起訴処分を目指すことです。初犯・事故なし・反省の態度が明確なケースでは不起訴になることがあります。不起訴になれば前科もつかず罰金の支払いも不要です。弁護士が検察官に対して不起訴を求める意見書を提出することで不起訴の可能性が高まります。

起訴されてしまった場合でも弁護士が情状立証を行うことで罰金額を軽減できる可能性があります。初犯・事故なし・反省の態度・今後の再発防止への取り組みなどを具体的に示すことで法定刑の上限より低い金額での罰金になる可能性があります。

なお飲酒運転の行政処分(免許停止・取消)は刑事処分とは別の手続きで行われるため刑事で罰金が軽減されても行政処分は別途行われます。刑事・行政両面での対応について弁護士に相談することが重要です。

免許停止・免許取り消しを回避する方法はある?

飲酒運転の行政処分(免許停止・免許取消)は刑事処分(罰金・懲役)とは別の手続きで行われます。刑事で不起訴になっても行政処分が行われることがあり、逆に起訴された場合でも行政処分の内容は刑事処分とは独立して決定されます。

行政処分そのものを回避することは基本的には困難です。飲酒運転が発覚した場合は違反点数に応じた免許停止・免許取消処分が行われます。ただし免許停止(免停)の場合は「短縮講習」を受講することで停止期間を短縮できる制度があります。短縮講習を受講することで本来の停止期間を最大で半分程度に短縮できるケースがあります。

また行政処分に不服がある場合は「行政不服申立て(審査請求)」を行うことができます。行政不服申立てによって処分の取り消しや軽減が認められるケースは多くはありませんが、事実誤認がある場合などには有効な手段です。行政不服申立ての手続きについては弁護士に相談することで適切なアドバイスを受けることができます。

まとめ

飲酒運転の罰金相場は酒気帯び運転で30〜50万円・酒酔い運転で50〜100万円程度です。行政処分として免許停止・取消も別途行われます。同乗者・車両提供者にも刑事罰が課されます。弁護士に依頼することで不起訴処分や罰金の軽減を目指すことができますが行政処分は刑事処分とは別に進みます。飲酒運転を行わないことが唯一の根本的な対策です。

監修者情報
浜宮 健太 弁護士
弁護士法人 稲葉セントラル法律事務所 自由が丘オフィス 支店長
浜宮 健太 弁護士
東京弁護士会所属 / 犯罪被害者支援委員会(東京弁護士会)

検察官から弁護士へ転身。「弱い立場の人を支え、より良い社会を」をモットーに、刑事事件・犯罪被害者支援を中心に活動。何が問題で、手続きがどう進むのか、不安を一つひとつ解消し、共に問題解決していくことをお約束します。

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監修・執筆
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