無免許運転で逮捕される条件と逮捕後の流れ・推奨対応を解説

無免許運転は交通違反の中でも刑事犯罪として扱われるため、逮捕される可能性があります。「どのような場合に逮捕されるのか」「逮捕後はどう対応すればよいか」という疑問を持つ方も多いでしょう。この記事では、無免許運転で逮捕される条件・逮捕後の流れ・逮捕後の推奨対応について解説します。

無免許運転で逮捕される条件

無免許運転で逮捕されるかどうかは、発覚した状況・事案の重大性・逃亡のおそれなどによって異なります。逮捕には「現行犯逮捕」と「後日逮捕(通常逮捕)」の2種類があります。

現行犯逮捕は警察官が無免許運転を直接確認した場合に行われます。取り締まりの際に免許証の提示を求められて無免許が発覚した場合・事故を起こして警察が駆けつけた際に発覚した場合などが典型的なケースです。

後日逮捕(通常逮捕)は、逃亡した場合・証拠隠滅のおそれがある場合・事故の後に現場を離れた場合などに行われます。防犯カメラ映像・目撃証言・同乗者の証言などから後日特定されて逮捕されるケースがあります。

初犯・事故なし・逃亡のおそれなしという場合は現場で書類に署名した上で在宅捜査になることもあります。ただし逮捕されるかどうかは個別の状況によって判断されるため、「逮捕されないだろう」という見込みは持たないことが重要です。

逮捕後の流れ

逮捕後から起訴・不起訴の決定までの流れは法律によって厳格に時間が定められています。各段階での時間制限と手続きの内容を理解しておくことで弁護士への依頼のタイミングや各段階での対応方針を把握することができます。早期の弁護士依頼が処分の軽減につながるため流れを事前に知っておくことが重要です。4つのステップで解説します。

  • 逮捕から48時間(警察での取調べ)
  • 検察への送致と勾留請求(48〜72時間)
  • 勾留・取調べ(最長20日間)
  • 起訴・不起訴の決定

逮捕から48時間(警察での取調べ)

逮捕されると最初に警察署に連行されます。警察は逮捕から48時間以内に被疑者の身柄を検察庁に送致しなければなりません(刑事訴訟法203条)。この48時間の間に警察は取調べを行い、無免許運転の経緯・回数・免許の状況などについて確認します。

この48時間は弁護士を呼んで取調べへの対応方針を決める最も重要な時間帯です。当番弁護士制度を活用することで費用なしで弁護士に接見してもらうことができます。弁護士からは黙秘権の行使・調書への対応・今後の手続きについてアドバイスを受けることができます。

逮捕後48時間以内に弁護士が介入することで、検察への送致後の処分に影響を与える活動も開始できます。特に勾留回避・早期釈放に向けた意見書の準備など弁護士が逮捕直後から動けるかどうかが処分の方向性に大きく影響します。

検察への送致と勾留請求(48〜72時間)

警察は逮捕から48時間以内に事件を検察庁に送致します(送検)。送検後、検察官は24時間以内に勾留を請求するかどうかを決定しなければなりません(刑事訴訟法205条)。逮捕から合計72時間以内が勾留されるかどうかを決める重要な局面です。

検察官が勾留を請求しない場合は釈放されます(在宅捜査に移行)。弁護士が検察官に対して勾留の必要性がないことを主張する意見書を提出することで、勾留請求を断念させる可能性があります。無免許運転の初犯・事故なしのケースでは勾留されずに釈放されるケースも少なくありません。

検察官が勾留を請求した場合は裁判官が審査を行い、勾留を認めるかどうかを決定します。弁護士はこの段階でも裁判官に対して意見書を提出して勾留を認めないよう働きかけることができます。逮捕後72時間以内の弁護士の活動が、その後の勾留期間・処分の方向性を大きく左右します。

勾留・取調べ(最長20日間)

裁判官が勾留を認めると「勾留状」が発付され最長10日間の身柄拘束が続きます(刑事訴訟法207条)。さらに最大10日間の勾留延長が認められることがあり、合計最長20日間の身柄拘束が続くことがあります。この期間中に警察・検察による取調べが行われます。

勾留中は外部との連絡が制限され弁護士以外との面会も制限されることがあります。弁護士は勾留中でも接見することができるため、弁護士を通じて家族との連絡・職場への対応などの調整が行われます。勾留決定後でも「準抗告」という不服申立てによって勾留取り消しを求めることができます。

勾留中の取調べへの対応が最終的な処分に影響します。調書の内容・反省の態度・事件の詳細などが検察官の起訴・不起訴の判断に影響するため、弁護士と連携しながら適切な取調べ対応をとることが重要です。

起訴・不起訴の決定

勾留期間が終わるまでに検察官は起訴か不起訴かを決定します。逮捕後の警察・検察での合計72時間+勾留最長20日間の最大23日間以内に起訴・不起訴の判断が下されます。この決定が被疑者にとって最も重要な結果となります。

不起訴になった場合は即座に釈放され前科もつきません。無免許運転の初犯・事故なし・反省の態度が明確なケースでは不起訴になることがあります。弁護士が積極的に不起訴を求める活動を行った場合は不起訴の可能性が高まります。不起訴は弁護士への早期依頼が最も影響する結果のひとつです。

起訴された場合は刑事裁判が開かれます。ただし無免許運転の軽微な事案では「略式起訴」として書面審理のみで罰金刑が下されることが多いです。略式起訴への同意は有罪判決として前科がつくことを意味するため、同意する前に弁護士に相談することが重要です。

無免許運転で逮捕後の推奨対応

無免許運転で逮捕された場合、その後の処分を少しでも軽くするためにはいくつかの重要な対応があります。逮捕直後の行動が処分の結果を大きく左右するため適切な対応を事前に知っておくことが重要です。「何をすべきか・何をすべきでないか」を理解した上で対応することが最善の結果につながります。4つの推奨対応を解説します。

  • 当番弁護士・弁護士に速やかに連絡する
  • 取調べで慎重に対応する(黙秘権の行使)
  • 家族への連絡を依頼する
  • 反省の態度を誠実に示す

当番弁護士・弁護士に速やかに連絡する

逮捕後に最初にすべきことは弁護士に連絡することです。弁護士がいない状況で取調べに臨むことは非常にリスクが高く、逮捕後できる限り早く弁護士のサポートを受けることが重要です。

弁護士に連絡できない場合や深夜・休日の場合は「当番弁護士制度」を活用することができます。当番弁護士は費用なしで逮捕後すぐに接見に来てくれる制度であり、警察官に「当番弁護士を呼びたい」と伝えることで利用できます。当番弁護士は初回接見後の正式依頼は強制されないため、まず接見してもらって状況を把握した上で弁護士を決めることができます。

弁護士に早期に依頼することで取調べへの対応方針の決定・勾留回避に向けた意見書の提出・不起訴処分を目指した活動など処分を軽減するための活動を最大限に進めることができます。逮捕後は「弁護士に連絡する」ことを最優先行動として覚えておくことが重要です。

取調べで慎重に対応する(黙秘権の行使)

逮捕後の取調べは後の処分に直接影響するため、慎重に対応することが重要です。取調べが始まる前に「あなたには黙秘権があります」という告知(黙秘権の告知)が行われます。すべての質問に答える義務はなく、黙秘権を行使することができます。

弁護士と接見する前の段階では必要最低限の回答にとどめることが安全です。捜査官の誘導的な質問・心理的なプレッシャーによって本来言わなくてよいことを話してしまったり、事実と異なる内容が調書に記録されてしまうリスクがあります。

ただし黙秘権の行使方法・どの質問に答えるかはケースによって異なります。弁護士と接見した後は弁護士のアドバイスに基づいて取調べへの対応方針を決めることが最善です。取調べの調書は後の裁判で証拠として使われる可能性があるため、調書に署名する前に内容を十分に確認することが重要です。

家族への連絡を依頼する

逮捕されると外部との連絡が制限されますが、弁護士を通じて家族に連絡を取ることができます。家族への連絡を早期に行うことで、職場への欠勤の連絡・保釈のための費用準備・精神的なサポートなど様々な面での協力を得ることができます。

家族が逮捕の事実を知ることで弁護士への依頼・保釈保証金の準備・職場への対応などを家族が代わりに行うことができます。弁護士が家族と連携して各種手続きを進める体制を整えることで、被疑者の負担を軽減することができます。

また家族が逮捕後に弁護士を探す際は「刑事事件専門」「24時間対応」「無免許運転の実績あり」という条件を軸に選ぶことをおすすめします。家族が焦って判断を誤らないよう、日頃から緊急時の連絡先として弁護士事務所を把握しておくという準備も有効です。

反省の態度を誠実に示す

逮捕・取調べの段階から反省の態度を誠実に示すことが、起訴・不起訴の判断・量刑において重要な要素となります。検察官・裁判官は被疑者の反省の態度・再犯防止への取り組み・社会生活への影響などを総合的に判断して処分を決めます。

反省の態度を示す具体的な方法としては、取調べでの誠実な対応・謝罪文の作成・弁護士を通じた検察官への反省の意の伝達などがあります。また無免許運転に至った原因(免許失効を知らなかった・やむを得ない事情があったなど)についても正直に説明することが重要です。

一方、反省の態度を示すことと黙秘権の行使は矛盾しません。弁護士と相談した上で「どの事実を認めて・どの質問には答えないか」という方針を決めることができます。「すべてを話すことが反省の証明」という思い込みは危険であり、弁護士のアドバイスに基づいて適切な範囲で誠実に対応することが最善の方法です。

まとめ

無免許運転で逮捕される場合は現行犯逮捕と後日逮捕があり、逮捕後は最長23日間の身柄拘束を経て起訴・不起訴が決定されます。逮捕後は当番弁護士・弁護士への連絡を最優先とし取調べでは慎重に対応することが重要です。家族への連絡・反省の態度の表明も処分の軽減につながります。逮捕後は速やかに弁護士に連絡することが最善の対応です。

監修者情報
浜宮 健太 弁護士
弁護士法人 稲葉セントラル法律事務所 自由が丘オフィス 支店長
浜宮 健太 弁護士
東京弁護士会所属 / 犯罪被害者支援委員会(東京弁護士会)

検察官から弁護士へ転身。「弱い立場の人を支え、より良い社会を」をモットーに、刑事事件・犯罪被害者支援を中心に活動。何が問題で、手続きがどう進むのか、不安を一つひとつ解消し、共に問題解決していくことをお約束します。

プロフィールを見る →
IN
監修・執筆
弁護士法人 稲葉セントラル法律事務所

刑事事件専門の弁護士チームが監修・執筆しています。逮捕・勾留・示談・裁判まで幅広く対応し、初回相談無料でご相談いただけます。

法律相談受付中!どんな些細なことでもお気軽にご相談ください
初回相談無料・夜間休日対応可能
受付時間 平日 9:30〜18:30 / 土曜 10:00〜17:00 03-6428-7590
メールでお問い合わせ