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前科二犯とはどういう意味か|前科一犯との違いと量刑への影響

前科が二つある状態を「前科二犯」と呼びます。初めて有罪判決を受けた場合と比べて、量刑が重くなりやすく、執行猶予がつかないケースも増えていきます。この記事では、前科二犯の意味から前科一犯との違い、量刑への影響、よくある事例やリスクまでをわかりやすく解説します。

前科二犯とはどういう意味か

前科二犯とは、刑事裁判で二度の有罪判決が確定している状態を指します。懲役・禁固・罰金など、判決の種類を問わず、確定した有罪判決であれば前科としてカウントされます。

前科は一度の有罪判決ごとに一犯として記録されます。前科一犯から始まり、二度目の有罪判決で前科二犯となり、以降も同様に積み重なっていきます。いわゆる「前科何犯」という言い方は、このような確定判決の回数を示したものです。

注意が必要なのは、不起訴処分や逮捕されただけでは前科にはならない点です。捜査機関に前歴として記録されることはあっても、前科とは区別されます。また、略式命令による罰金は有罪判決にあたるため前科に含まれます。前科の定義を正確に理解しておくことが、今後の対処を考える上でも重要です。

前科一犯との違いと量刑への影響

前科一犯が一度の有罪判決であるのに対し、前科二犯はそれが二度あります。この差は、次に罪を犯した場合の量刑に直接影響します。

刑法では、前科がある状態で再び罪を犯した場合に「累犯加重」という規定が適用される場合があります。具体的には、懲役刑を受けて服役した後5年以内に再び懲役に処される場合、刑の長期が二倍になる可能性があります。前科一犯の段階でも起こり得ますが、前科二犯ではさらに裁判官の心証に影響しやすくなります。

また、執行猶予については、前科一犯のときは犯行の内容や示談の有無によっては認められることがあります。しかし前科二犯になると、過去の犯行が重ねて考慮されるため、同じ内容の犯行であっても実刑に傾くケースが増えていきます。前科が積み重なるほど、寛大な処分を得ることは難しくなるという点を、しっかり認識しておく必要があります。

前科二犯に多いケース

前科二犯に至るパターンはさまざまですが、特定の犯罪種別で再犯が多く見られます。それぞれのケースで量刑や対処の方向性も変わってくるため、具体的な事例を知っておくことが重要です。

  • 万引き・窃盗を繰り返したケース
  • 暴行・傷害事件の再犯
  • 薬物事件での繰り返し
  • 飲酒運転による再犯

万引き・窃盗を繰り返したケース

万引きや窃盗は再犯率の高い犯罪として知られており、前科二犯に至るケースの中でも特に多く見られます。一度目の犯行では、初犯であることや被害弁償・示談の成立を理由に、罰金刑や執行猶予付きの判決で終わることが少なくありません。しかし、同じ種類の犯罪を繰り返した場合、裁判所は「常習性がある」と判断しやすくなり、二度目以降は実刑判決へと傾く可能性が高まります。

特に、前回の判決から短期間で再犯した場合や、被害件数・被害金額が大きい場合は、より厳しい量刑が科される傾向にあります。前科がある状態では「反省の意思が不十分」「更生の見込みが低い」と評価されやすく、それが量刑の重さに直接影響します。また、被害者側も前科があることを知ると示談交渉に応じにくくなるケースがあり、合意を得るまでに時間がかかることもあります。

こうした状況を少しでも改善するには、早期に弁護士へ相談し、被害弁償の準備や示談交渉を迅速に進めることが重要です。前科がある状態だからこそ、弁護士の力を借りながら丁寧に対応することが処分の軽減につながります。

暴行・傷害事件の再犯

暴行や傷害事件は、被害者への直接的な危害を伴う犯罪であるため、再犯に対しては特に厳しい処分が下される傾向にあります。前科一犯の段階では、被害者との示談が成立することで執行猶予が認められるケースもありますが、前科二犯になると同様の結果が得られるとは限りません。裁判所は過去の犯行を踏まえて判断を行うため、前科の数が増えるほど処分が重くなる傾向が強まります。

特に問題となるのは、前回と同じ相手や似た状況での再犯です。この場合、「意図的・継続的な暴力行為」として評価される可能性があり、量刑が大幅に重くなることがあります。被害者の怪我の程度や治療期間、後遺症の有無なども量刑判断に影響するため、事件の内容によっては傷害致死に近い扱いを受けるケースも出てきます。

示談が成立すれば量刑が軽減される可能性は残りますが、前科がある場合は被害者感情が厳しくなりやすく、交渉が難航することも少なくありません。弁護士を通じた丁寧な交渉と、反省の姿勢を具体的に示す取り組みが、処分を左右する大きなポイントとなります。

薬物事件での繰り返し

大麻や覚醒剤などの薬物事件は、依存性の高さから再犯につながりやすく、前科二犯に至るケースが多い犯罪の一つです。初回の薬物事件では、使用量が少量であったり、自首・任意提出などの事情があることで、執行猶予付きの判決が下されることもあります。しかし、執行猶予期間中に再犯した場合は、執行猶予が取り消されて前の刑と合算される形で処分が下されるため、結果として長期の実刑になるケースがあります。

薬物事件で前科二犯となった場合、裁判所は依存性や再犯性を重視するため、執行猶予がつく可能性はさらに低くなります。一方で、専門機関での依存症治療に積極的に取り組んでいることを示すことが、量刑を軽減する方向に働くことがあります。治療プログラムへの参加記録や医師の診断書などを証拠として提出することで、更生への意欲を具体的にアピールすることが可能です。

薬物事件の弁護では、依存症という側面を適切に主張しながら対応することが重要です。前科二犯という状況だからこそ、刑事事件に精通した弁護士への早期相談が欠かせません。

飲酒運転による再犯

飲酒運転は社会的な非難が大きく、特に再犯に対しては厳しい処分が下される傾向があります。一度目の飲酒運転では、事故を起こしていなければ罰金刑や短期の禁固刑で終わることもありますが、二度目以降は懲役の実刑になる可能性が大きく高まります。同じ違反を繰り返したという事実は裁判官の心証に強く影響し、「悪質性が高い」と判断されやすくなります。

さらに、飲酒運転中に人身事故を起こした場合には、危険運転致死傷罪が適用される可能性があり、その際の量刑は非常に重くなります。前科がある状態でこうした事故を起こした場合は、長期の実刑はもちろん、被害者への民事賠償も加わるため、経済的・社会的なダメージが非常に大きくなります。

飲酒運転の再犯にはアルコール依存の問題が関係しているケースもあります。専門機関での治療やプログラム受講の実績を示すことが量刑の軽減につながる場合があります。再犯を防ぐための具体的な取り組みと弁護活動を組み合わせて進めることが、今後の処分に影響します。

前科二犯のデメリット・リスク

前科二犯になると、刑事罰としての量刑だけでなく、日常生活や社会的な場面にもさまざまなデメリットが生じます。主なリスクを4点から見ていきます。

  • 執行猶予がつきにくくなる
  • 就職・転職への影響
  • 資格や免許の取得・更新に影響する
  • 累犯加重で刑が重くなる

執行猶予がつきにくくなる

前科二犯になると、次の裁判で執行猶予を得ることが前科一犯のときよりも難しくなります。裁判所は、過去の前科の数・犯行内容・反省の度合い・再犯リスクなどを総合的に評価して判決を下しますが、前科が積み重なるほど「また罪を犯す可能性が高い」という評価に傾きやすくなります。

執行猶予が認められるかどうかは、前科の内容と今回の犯行の重さによっても変わります。今回の犯行が前回と同種のものであれば、常習性があると判断されて実刑になりやすくなります。一方、犯行の種別が異なる場合や、被害者との示談が成立している場合、深い反省の態度が認められる場合などは、執行猶予がつく可能性が残ることもあります。

前科二犯であっても、弁護士による積極的な弁護活動で執行猶予の獲得を目指すことは十分に可能です。示談交渉の成立・被害弁償の実施・情状証人の確保など、量刑を軽くする方向の事情を積み上げることが、執行猶予獲得への道につながります。諦めずに早期の弁護士相談へ動くことが、結果を左右します。

就職・転職への影響

前科がつくと、就職・転職の際にさまざまな影響が出てきます。採用選考の際に犯罪歴の有無を問われた場合、正直に申告しなければならない状況が生まれることがあります。虚偽の申告をした場合は後から発覚して内定取り消しや解雇につながる可能性があるため、正直な対応が求められます。

前科二犯ともなると、一度目よりも就職活動がさらに困難になる場面があります。特に、公務員・教員・警備員・介護職などは、法律上の欠格事由に該当する場合があり、前科の内容によっては就くことができない職種があります。また、民間企業においても、採用担当者の判断によって不採用になるケースがあることは否定できません。

それでも、前科があることを理由にすべての仕事を諦める必要はありません。前科の影響が比較的少ない業種や職種を選ぶこと、あるいは資格を取得して専門性を高めることで、就職の選択肢を広げることは十分に可能です。弁護士や就労支援機関に相談しながら、現実的な選択肢を検討することが大切です。

資格や免許の取得・更新に影響する

前科がつくと、一定期間は特定の資格や免許の取得・更新ができなくなる場合があります。弁護士・医師・薬剤師・税理士・教員・保育士・警備員など、法律によって欠格事由が定められている職種では、禁固以上の刑に処されたことや特定の犯罪による有罪判決が、資格取得の障害となります。

前科一犯の段階でも影響が出ることはありますが、前科二犯ではその制限がさらに長期にわたって続く場合があります。また、すでに資格を持っている場合でも、有罪判決によって資格の取り消しや停止が行われるケースがあります。特に医療・法律・教育・福祉などの分野では、社会的な信頼を前提とした職業であるため、前科に対する審査が厳しい傾向にあります。

資格への影響の範囲や期間は、資格の種類や犯罪の内容によって異なります。就きたい職業や取得・更新を予定している資格がある場合は、前科がどのような影響を与えるのかを弁護士に事前に確認しておくことで、今後の見通しを立てやすくなります。

累犯加重で刑が重くなる

刑法上の「累犯加重」とは、一定の要件を満たす再犯者に対して、通常の法定刑の長期を二倍にすることができる規定です。具体的には、以前に懲役刑を受けて服役し、その執行が終わった日から5年以内に再び懲役に処される場合に適用される可能性があります。前科二犯の方がさらに罪を犯した場合、この規定が適用されることで、想定より大幅に長い懲役刑が科されるリスクがあります。

累犯加重が適用されるかどうかは、前の刑が懲役刑であったかどうか、服役期間の終了から何年が経過しているかなど、具体的な条件によって変わります。罰金刑のみの前科の場合は累犯加重の対象にならないこともあるため、自分の前科の内容を正確に把握しておくことが重要です。

累犯加重の適用を受けた場合でも、弁護士が情状立証を尽くすことで、実際に科される刑を法定刑の範囲内で少しでも軽くする余地は残っています。再犯を繰り返すほど選択肢が狭まることを理解した上で、できる限り早く弁護士に相談することが大切です。

まとめ

前科二犯とは、刑事裁判で二度の有罪判決が確定した状態を指します。前科一犯と比べて量刑が重くなりやすく、執行猶予の獲得も難しくなる傾向があります。就職や資格取得への影響も長期にわたるため、再犯後の対応は早期の弁護士相談が欠かせません。前科の数が増えるほど取りうる選択肢は狭まりますが、弁護士の力を借りることで処分の軽減を目指すことは可能です。

監修者情報
浜宮 健太 弁護士
弁護士法人 稲葉セントラル法律事務所 自由が丘オフィス 支店長
浜宮 健太 弁護士
東京弁護士会所属 / 犯罪被害者支援委員会(東京弁護士会)

検察官から弁護士へ転身。「弱い立場の人を支え、より良い社会を」をモットーに、刑事事件・犯罪被害者支援を中心に活動。何が問題で、手続きがどう進むのか、不安を一つひとつ解消し、共に問題解決していくことをお約束します。

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監修・執筆
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