コロナの外出自粛で業績が悪化…資金繰りの支援制度は?

世界的に猛威を振るう新型コロナウイルス感染症。
日本でも緊急事態宣言が全国に拡大され、警戒感が高まる中、ますますご不安な日々をお過ごしのことと存じます。
稲葉セントラル法律事務所では、法律の専門家かつみなさまの信頼できるパートナーとして、みなさまがこの度の多くの困難のなかでも勇気を出して前を向き、活路を見出していけるよう、お力になりたいと思っております。
新型コロナウイルス感染症に起因する法的なお悩み事、どうぞお気軽にご相談ください。

今回は、新型コロナウイルス感染症により業状が悪化し、資金繰りに困られている中小企業、小規模事業者、個人事業主のみなさまへ、気になる支援制度についてご紹介いたします。
※本記事は2020年4月22日時点での、経済産業省、中小企業庁の情報を元に作成しております。変更が生じる場合がございますので最新の情報をご確認いただくようお願い申し上げます。

 

民間金融機関による信用保証付融資

セーフティネット保証

セーフティネット保証とは?

経営の安定に支障が生じている中小企業の資金繰りを助ける制度

■経営安定関連保証(中小企業信用保険法 第2条第5項)

4号:突発的災害(自然災害等)

5号:業状の悪化している業種(全国的)

■危機関連保証(中小企業信用保険法 第2条第6項)

大規模な経済危機、災害等による信用収縮への対応

政府が認定を行った特別な事由を対象とし創設された新たな保証制度
新型コロナウイルス感染症が対象事由に認定され初の発動となる

セーフティネット保証4号

借入債務の100を保証

対象 全国47都道府県
要件 売上高▲20%減
期間 令和2年6月1日迄

◆Check◆

  • 対象地域 全国に拡大
  • 業歴1年以上から3か月に緩和
  • 認定基準の運用基準緩和(平均売上高の比較等)

セーフティネット保証5号

借入債務の100を保証

対象 指定業種
要件 売上高▲5%減
期間 令和2年6月30日迄

◆Check◆

  • 指定業種拡大(一部を除くほぼすべての業種対象に ※経産省HP参照)
  • 期間延長

危機関連保証

借入債務の100を保証

対象 全国・全業種
要件 売上高▲15%減
期間 令和3年1月31日迄

◆Check◆

  • 最優遇の保証内容(※ 一部対象外の業種あり)
  • 長期間

セーフティネット保証の「保証」とは?

①融資の別枠の保証

すでに融資を受けていても別枠としてさらに別の融資が受けられる

②信用保証協会による代位弁済の保証

新型コロナによる業状悪化で借金返済ができない場合、信用保証協会が代わりに一括返済してくれる

借金を肩代わりしてくれる制度であり、借金が帳消しになるわけではない

セーフティネット保証活用のメリット

★新型コロナの影響で売上等の現金の流入がない時期に融資を受けることで現金確保ができるため資金繰りがスムーズになります

★融資を受ける際にネックとなる保証料や利息の支払に対する補助制度により融資が受けやすくなります

信用保証付き融資における保証料・利子減免

都道府県による制度融資活用で実質無利子

保証料ゼロまたは1/2・無担保・据置最大5年・既往債務の借換に対応 ※令和2年度補正予算の成立が前提

対象 セーフティネット保証4号、5号、危機関連保証の認定を受けた事業者
要件 ①個人事業主(事業性のあるフリーランス含む、小規模に限る) 売上高▲5%減 ⇒ 保証料ゼロ + 金利ゼロ
②小・中規模事業者 売上高▲5%減 ⇒ 保証料1/2
売上高▲15%減 ⇒ 保証料ゼロ + 金利ゼロ
利子補給期間 当初3年間 ※4年目以降は基準利率適用

実質”無利子とは?

セーフティネット保証で融資を受けると、自治体からの利子補給が受けやすくなる
利子補給とは、融資を受けた事業者の利子の負担を減らすために、利子の一部または全額を自治体が給付する制度

はじめから無利子になるのではなく、一度返済を負担した利子が最終的に事業者に返ってくる仕組みによって“実質”無利子となります

つまり自治体と信用保証協会がタッグを組んで事業者に課される金利分をキャッシュバックしてくれる制度です

3つの保証制度、利用するべきなのは?

セーフティネット保証4号・5号、危機関連保証はそれぞれ別枠となるため要件を満たしている場合には合計3種類の保証制度をすべて利用することができる。さらに一般保証とも別枠となる。

◆Point◆
令和2年度補正予算案では・・・

  • 実質無利子融資が民間金融機関まで拡大されました
  • 既往債務の負担軽減のため、実質無利子融資へ借換可能とされました

 

政府系金融機関による融資

セーフティネット貸付

対象 全国・全業種
要件 売上高の数値要件なし
融資限度額 中小事業 7.2億円
国民事業 4,800万円
貸付期間 設備資金 15年
運転資金 8年
据置期間 3年
金利 基準金利
※貸付期間、担保の有無により変動

◆Check◆
貸付要件緩和

  • 売上高▲5%減少→数値要件に関わらず今後の影響が見込まれる事業者

 

セーフティネット貸付とは?

「経営環境変化対応資金」という日本政策金融公庫の貸付制度

社会的、経済的環境の変化などの外的要因により、一時的に売上減少など業状悪化を来しているが、中期的にはその業績が回復しかつ発展することが見込まれる中小企業の経営基盤の強化を支援する融資制度

セーフティネット貸付 セーフティネット保証
経営環境変化対応資金 危機関連保証
日本政策金融公庫が常時実施 信用保証協会が緊急時に一定期間実施
貸付制度 保証制度
中長期的に業状を回復・発展させるための「経営基盤の強化」を支援 緊急時の「経営の維持、回復」を支援

◆Point◆

  • メリット – 100%保証・業種制限なし・融資限度高額・長期返済
  • デメリット – 要担保・金利引き下げなし
  • 業績回復かつ発展が見込まれる事業者の「経営基盤の強化」を支援する制度であるため、新型コロナの影響で先行きが見えない状況にある事業者では利用が難しいと言えます

新型コロナウイルス感染症特別貸付

対象 全国・全業種
要件 売上高▲5%減
融資限度額 中小事業 3億円
国民事業 6,000万円(別枠)
貸付期間 設備資金 20年
運転資金 15年
据置期間 5年
金利 当初3年間▲0.9%引き下げ信用力、担保に依らず一律
※貸付期間により変動

◆Check◆

  • 無担保融資

新型コロナウイルス対策マル経融資(小規模事業者経営改善資金融資)

対象 商工会議所・商工会・都道府県商工会連合会の経営指導員による経営指導を受けた小規模事業者
要件 売上高▲5%減
融資限度額 1,000万円(別枠)
貸付期間 設備資金 10年
運転資金 7年
据置期間 設備資金 4年
運転資金 3年
金利 当初3年間▲0.9%引き下げ

◆Check◆

  • 無担保、無保証人融資
  • 据置期間延長

商工中金による危機対応融資

対象 全国・全業種
要件 売上高▲5%減
融資限度額 3億円
貸付期間 設備資金 20年
運転資金 15年
据置期間 設備資金 5年
金利 当初3年間▲0.9%引き下げ信用力、担保に依らず一律
※貸付期間により変動

◆Check◆

  • 無担保融資
  • 4月中旬より制度適用開始

 

株主である中小企業の組合とその組合員を融資の対象としているため商工中金に未加入の場合には、借入申込時に要相談

特別利子補給制度

利子補給により実質無利子、既往債務の借換に対応※令和2年度補正予算の成立が前提

対象 新型コロナウイルス感染症特別貸付、新型コロナウイルス対策マル経融資、危機対応融資により借入を行った事業者
要件 ①個人事業主(事業性のあるフリーランス含む、小規模に限る): 要件なし
②中小企業者 売上高▲20%減
③小規模事業者 売上高▲15%減
※製造業、建設業、運輸業、その他業種は従業員20名以下
※卸売業、小売業、サービス業は従業員5名以下
利子補給期間 当初3年間
補助対象上限
※新規融資と日本政策金融公庫等の既往債務借換との合計金額
新型コロナウイルス感染症特別貸付
新型コロナウイルス対策マル経融資 : 中小事業 1億円、国民事業 3,000万円
商工中金による危機対応融資 : 1億円

◆Check◆

  • 新型コロナウイルス対策マル経融資 利子補給の対象に追加
  • 既往債務の借換に対応

 

◆Point◆

  • 低減した利率の利息部分がキャッシュバックされる「利子補給」により“実質”無利子となる仕組みです。はじめから無利子になるわけではないことに注意しましょう。
  • 利子補給期間は当初3年間であり4年目以降は所定の基準利率が適用されます
  • 制度適用までに資金が必要なときは一旦公庫等の所定の利率でつなぎ融資を行いのちに実質無利子融資への借換が可能です

 

生活衛生関係事業者向け融資

生活衛生関係の事業者には一般の中小企業・小規模事業者を対象とした融資制度に加え支援策を実施

生活衛生関係事業者とは?

「生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律」で規定する18業種の営業を営む事業者

サービス業 飲食業 販売業
理容店
美容店
興行場(映画館)
クリーニング店
公衆浴場(銭湯)
ホテル・旅館
簡易宿泊所
下宿営業
すし店
めん類店(そば・うどん店)
中華料理店
社交業(スナック・バー等)
料理店(料亭等)
喫茶店
その他の飲食店(食堂・レストラン等)
食肉販売店
食鳥肉販売店
氷雪販売業(氷屋)

生活衛生新型コロナウイルス感染症特別貸付

対象 生活衛生関係事業者
要件 売上高▲5%減
融資限度額 6,000万円(別枠)
貸付期間 振興計画認定組合員
設備資金 20年
運転資金 15年
組合員以外
設備資金 15年
運転資金 15年
据置期間 5年
据置期間 当初3年間▲0.9%引き下げ信用力、担保に依らず一律
※貸付期間により変動

◆Check◆

  • 無担保融資

新型コロナウイルス対策衛経(生活衛生関係営業経営改善資金特別貸付)

対象 生活衛生同業組合等の経営指導と推薦を受けた生活衛生関係事業を営む小規模事業者
※従業員5名以下、旅館業・興行場業は20名以下
要件 売上高の数値要件なし
融資限度額 1,000万円(別枠)
貸付期間 設備資金 10年
運転資金 7年
据置期間 設備資金 4年
運転資金 3年
据置期間 当初3年間▲0.9%引き下げ

◆Check◆

  • 無担保、無保証人融資
  • 据置期間延長

特別利子補給制度

利子補給により実質無利子、既往債務の借換に対応※令和2年度補正予算の成立が前提

対象 生活衛生新型コロナウイルス感染症特別貸付、新型コロナウイルス対策衛経により借入を行った事業者
要件 ①個人事業主(小規模に限る): 要件なし
②中小企業者 売上高▲20%減
③小規模事業者 売上高▲15%減
※卸売業、小売業、サービス業は従業員5名以下
利子補給期間 当初3年間
補給対象上限 3,000万円
※新規融資と日本政策金融公庫の既往債務借換との合計金額
※新型コロナウイルス感染症特別貸付、新型コロナウイルス対策マル経融資、生活衛生新型コロナウイルス感染症特別貸付、新型コロナウイルス対策衛経との合計

◆Check◆

  • 令和2年1月29日以降の公庫等からの借入も遡及適用が可能
  • 公庫の既往債務の借換も実質無利子の対象

衛生環境激変対策特別貸付

対象 旅館業、飲食店営業、喫茶店営業
要件 売上高▲10%減
融資限度額 飲食店営業、喫茶店営業 1,000万円(別枠)
旅館業 3,000万円
貸付期間 7年
据置期間 2年
金利 基準金利
振興計画の認定を受けた生活衛生同業組合員
▲0.9%引き下げ
※貸付期間、担保の有無により変動
取扱期間 令和2年8月31日迄

◆Check◆

  • 3業種限定

衛生環境激変対策特別貸付とは?

日常的に実施される貸付制度ではなく感染症等の発生による衛生環境の激変に伴い生活衛生関係営業者の経営に対する影響がある場合に、厚生労働省及び財務省の指示を受けて発動される

過去の発動実績

  • SARS(重症急性呼吸器症候群)
  • 鳥インフルエンザ
  • 新型インフルエンザ 等

既往債務の借換

※令和2年度補正予算の成立が前提

対象制度 金利引下げ・実質無利子化限度額 借換限度額※1
【日本政策金融公庫等】
新型コロナウイルス感染症特別貸付
新型コロナウイルス対策マル経融資
生活衛生新型コロナウイルス感染症特別貸付
新型コロナウイルス対策衛経 等
中小事業 1億円
国民事業 3,000万円
中小事業 1億円
国民事業 6,000万円
【商工組合中央金庫等】危機対応融資 1億円 3億円

※1 借換限度額は新規融資と公庫等の既往債務借換の合計額

 

◆Check◆

  • 借換を可能にし、既往債務も実質無利子化の対象へ

 

参考資料:経済産業省
新型コロナウイルス感染症で資金繰りにご不安を感じている事業者の皆様へ(PDF形式:311KB)

資金繰り支援内容一覧(PDF形式:1MB)

新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ(PDF形式:2MB)

【資金繰り支援全般に関するお問合せ先】

【中小企業 金融・給付金相談窓口】
電話番号:0570ー783183
受付時間:平日・土日祝日 9時00分~17時00分
【金融庁相談ダイヤル】
電話番号:0120ー156811
受付時間:平日10時00分~17時00分
IP電話:03ー5251ー6813